現在、宇宙は物凄い速度で膨張し、どんどん大きくなっています。といっても、あまりにスケールが大きすぎて、どれくらいの大きさなのか想像もつきませんよね。
この膨大な宇宙、実は現在も光の速度よりも早く膨張しています。この速度、2019年に発表されたハッブル宇宙望遠鏡を使った観測の結果では、74.03キロメートル/秒/Mpcと算出されています。
なんだかよくわからない単位ですが、「1Mpc=326万光年」なので、つまり1光年あたり22.7mm膨張していることになります。もっと簡単に言ってしまえば、とにかく想像もつかないとんでもないスピードで宇宙は膨張しているということです。
宇宙の今後
では、この膨張はいつまで続くのでしょうか?
この膨張速度、前述のハッブル宇宙望遠鏡を使った観測の結果では宇宙初期の頃から比べて約9パーセント速くなっていることがわかっています。様々な仮説はあるものの、この観測や過去のデータなどから、これからも膨張速度は永遠に上がっていき、今現在、夜空に見えている銀河などはすべて光よりも早く遠ざかり見えなくなってしまいます。また、宇宙が膨張するのに伴い、宇宙は冷却され、最終的には生命を維持することができなくなってしまうというのが現在の定説となっています。
ただし、これはあくまで仮説です。
別の可能性としては、例えば「ビッグクランチ」というものがあります。
宇宙は「ビッグバン」によって始まり、膨張を続けて現在の大きさとなりました。そして、将来的には宇宙の膨張は止まり、逆に収縮に転じるのではないかという考え方もあります。その場合、最終的には「ビッグバン」が起こる前の状態になってしまい、それを「ビッグクランチ」と呼びます。
なお、「ビッグクランチ」と似た考えで、宇宙は「膨張⇒収縮⇒膨張⇒収縮…」を永遠に繰り返すという考え方もあります。
宇宙に関するプチ雑学
太陽系で太陽に最も近いのは水星なので、温度がいちばん高いのは水星のように思えます。しかし、太陽系で最も温度が高いのは金星なのです。水星の表面温度は、昼には摂氏400度ですが夜には摂氏マイナス140度まで下がってしまします。それに対して、金星の温度は昼も夜も摂氏460度と水星よりも高くなっています。