裁判での撮影禁止の理由

裁判での撮影禁止の理由 社会の雑学

現在、日本では裁判が行われている際、法廷内での撮影は禁止されています。そのため、報道番組では、裁判が始まる前の風景は弁護士や検察官、裁判官が着席した状態の法廷を映し、裁判中の様子は傍聴した人が描いたイラストで補っているのが通常となっています。

裁判の公開は憲法で保障されており、原則として誰でも法廷の傍聴が可能となっています。

それならば、裁判の様子を撮影してもよさそうな気がしてしまいます。実際、民事訴訟規則77条や刑事訴訟規則215条などでは、裁判所の許可があれば撮影ができると規定されています。

それにも関わらず、写真撮影は「開廷前に限りこれを認める」という最高裁事務総長通達がなされており、裁判中の撮影が実施されることはありません。(ただし、過去には隠し撮りによって問題となったケースもあります)

では、なぜ裁判中の撮影は許可されないのでしょうか。被告人のプライバシーに配慮しているのでしょうか。

一般的には、裁判所の法廷で撮影が自由に認められると、被告人や証人に不当な圧力をかける手段となったり、法廷秩序を乱したりするおそれがあることが理由と言われています。

もちろん、これは本当のことでしょう。しかし、撮影禁止となったきっかけは意外な出来事でした。

戦後間もないころ、戦時中は規制されていた報道が自由になったことにより、有名人の裁判などは報道が過熱していました。当時は撮影のために大きな照明などが必要でこれが裁判の大きな妨げとなっていました。

また、記者のマナーも悪く、裁判中に裁判官の周りを取り囲んで撮影するなど裁判の妨げとなる行為を平気でおこなっていたといいます。そして、決め手となったのが、撮影用の照明が割れて裁判官が怪我してしまったことです。

この問題を受け、昭和23年、刑事訴訟規則に撮影に関する規定ができ、それ以来、日本の裁判では撮影が行われることはなくなりました。

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おとなの雑学情報局
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